キャラを人気者にするために試行錯誤する話

少し前に、私がこのブログの最初のエントリで描いた絵のステッカーを作った。

(↓この絵)

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あろうことか500枚作った。

 

〜これは、ちょっとした見積もりの誤算により発生したステッカー在庫過多を打破するため、なんとかこの絵を人気者にしようと奮闘する物語である 〜

 

まず、私はこの絵をハローワークの公式ゆるキャラに認定してもらうことを思いついた。

超いいアイデアだと思ったし、成功イメトレもバッチリだったので、意気揚々と厚生労働省にご提案メールを書いたが、返信はなかった。

前エントリでこの状況を「無視された」と記載したがここに大きな誤りがあったのでお詫びと共に訂正したい。

返信がないことに消沈しながら厚生労働省の問い合わせフォームを何の気なしに見返していたところ、

 

 

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ん?

 

 

『皆さまからの「ご意見・ご要望」に対しては、原則として回答はいたしませんが

 

なんだ〜い。 原則として、回答、ないんか〜い!

 

ということで無視ではなく、原則的な対応を取っていただいていた。大変失礼つかまつった。

 

しかし、あとに残るはなんとも言えない空振り感。これではまるで風車に戦いを挑むドン・キホーテだ。

このまま引き下がるわけにはいかない!こともない!

厚生労働省という大きすぎる相手に挑むことはきっぱり諦めて、もっと現実的な方針に転換することにした。

 

さて、キャラクターを人気者にする手段として次に思いついたのは、

そう、今流行の、キャラ弁

身近なことからコツコツと。ということでキャラ弁を作って(広義の)女子たちの

「なにこれ〜、ウケる〜!」「うへぇ〜、かわい〜!」から認知度を少しずつ広めていこうという作戦である。

 

おもしろ可愛く作ってレシピサイトにアップしよう。

「求職活動のお供に!ランチ代節約☆」「思わずニヤリとしてしまうユルさが、疲れた心を癒します♡」という感じの見出しをつけよう。

「輪郭に定形がないので、ぶきっちょさんでも簡単キャラ弁♪」を謳い文句にしよう。

・・・プランがどんどん頭のなかで広がっていった。

 

そしてプランが熟成しきった今夜、いよいよ実行の時が来た。

 

準備する材料は、白米、昆布、黒ゴマ、以上。シンプルイズベスト。

 

いざ取り掛かろうとしたその時、我が家には弁当箱なるものが存在しないことに気づく。

そりゃそうだ、過去から現在に至るまで、お弁当を作る婦人力を私は獲得できていない。

仕方ないので食料保存用のタッパーを引っ張り出し、気を取り直していざ着手。

 

イメージの中では「ぶきっちょさんでも簡単♪」がウリになるはずのキャラ弁だったが、ぶきっちょさんに想定外の苦労が待っていた。

食材たちは思うように並んでくれないし、作業の細かさがパない。

 

小一時間格闘した結果、やっと完成した。

 

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こだわりポイントは、黒ゴマの使いドコロ。

いくらないんでも昆布だけじゃお弁当として味気ないよね、という配慮から、目、手のひら、足のひらは黒ゴマで作ることイメージで材料を調達した。

しかしどうやら、自分がゴマの大きさを買いかぶりすぎていたらしいことに作業途中で気づく。

ゴマ一粒=手のひら、足のひら、目

にしようとしたら、とんでもはっぷん、おっぺけぺー。

ゴマって、こんなに小さかったんですね・・・と、涙目でゴマの塊を作ろうとするも、

ぶきっちょさんには余りある細かな作業となり癇癪を起こす寸前でフィニッシュ。

先の写真の手先足先に、その苦労の痕跡を見て取っていただけるのではないだろうか。

でも目はやりきったょ!

 

 

この渾身のキャラ弁の出来をまじまじ眺め、私は重大な決断を下した。

 

 

 

 

レシピサイトにアップするのは自重します!!!!!!!!!!

 

 

 

(その後、このお弁当は美味しくいただきました。)

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厚生労働省にハローワークのゆるキャラを提案してみたら無視されたみたい

厚生労働省ハローワークゆるキャラのご提案メールを送付して、5営業日が経過した現在、返信がハローと言ってやってこない。

 

物事はそう簡単にハローと言ってやってこない。

厚労省は我々にそれを知らしめてくれたのではないだろうか。

 

私は今更ながら初めてハローワークに行った時のことを思い出した。

http://t01545mh.hatenablog.com/entry/2013/01/16/015122

ハローワークのキャラクターを作るとしたらその名前は間違いなく「明日勇気」であるべきであり、私のご提案はそれにそぐわない。

 

稚拙なご提案をしてしまって大変申し訳なかったと反省している。

 

次の手を考えねば。

 

 

厚生労働省にハローワークのゆるキャラを提案してみた話

少し前に、このブログの最初のエントリで描いた絵のステッカーを作った。

(↓この絵)

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ステッカーがあったら欲しい、という声が2,3件あったから作ったのだが、

その2,3件の声に対して500枚のステッカーを作ったのだから調子に乗っているとしか言い様がない。"4件の苦情で篠田麻里子カワイイ区長退任"の福岡市に次いで、過剰反応 of the year にノミネート。

 

まあ実際のところは、依頼した業者さんの最小発注枚数が500枚だったんだから仕方がなかった。その業者さんが一番安かったし、これが噂に聞く規模の経済というやつである。

ただ、その500枚、届いてみればこんなんだった。

 

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うーん。

よくよく考えれば、私は2013年から組織に所属しておらず、定期的に人に会ったり、大人数が集まる場に顔を出す機会もない。そもそも論に立ち返れば、たとえ場があってもステッカーを欲しがる人がどこにでもいるような分際ではない。

ところが目前には500枚の束。完全なる規模の経済の敗北である。

 

それでも、身近な方々のご協力により、200枚程度さばくことができた。

これだけで奇跡的だし、もらってくださった皆様に大変感謝している。

 

ただし、簡単な引き算の結果、今、私は、残りの300枚弱のステッカーの山と対峙してそれらの行末を案じている。

桜の花びらと共に川に漂わせるのも風流かとも思ったが、川を汚すだけなので自粛。

どこかに埋めて未来の人々に届けるのも夢があるかと思ったが、未来人の混乱を招くだけだし、穴掘るのは面倒くさいので自重。

 

どうせなら喜んでくれる人の手に渡って貰いたいというのがせめてもの親心というやつで、

何かしら、この絵が有名になるような事態が発生すればコイツらも貰い手が現れるかもしれない・・・

とか考えていて思いついてしまった。

 

ん?・・・これ、ハローワークゆるキャラになるんじゃね?

 

ピッカーン。

ちょうど、若者にハローワーク利用してほしいキャンペーンみたいなのやってみたいだしゆるキャラ効果が現れれば、win-win

http://www.asahi.com/business/update/0117/TKY201301170186.html

 

と、いうことで早速厚生労働省に提案してみた。

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一応、自分としては至ってマジメなのだが、お返事来るだろうか。(来ないか)

 

 

 

プリキュアを目指してみる話2

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!注意!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

本エントリは、幼児・児童の夢を壊す可能性を孕んでおります。お子様の目の届かないところで閲覧ください。

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

進捗するのにかなり時間がかかってしまったが、プリキュアを目指してみる話の続報を書きたいと思う。

前エントリに書いたように、キャラクターショー制作会社の見学(+体験)に行った。

そりゃもう、3箇所も行った。

 

正直申し上げて、私はプリキュアを多少甘く見ていた側面があったと思う。踊りたい、という想いが一番強かったし、踊りをがんばればできるかも、と思っていた節があった。

この点について、平謝りしたい。すみません。すみません。

当然のことながらプリキュアの本業は懲活(懲悪活動)であり、踊る以前に戦う必要がある。そのためには身体能力が全体的に高くなければならない。

 

ところがどうだろう、私は、幼少のみぎりより体育の時間が大変な苦痛だった。

先生が、競走させた後に足の速さ順に生徒を並ばせるという、現実の出来事とは到底信じがたい行動をおこした際には、当たり前のように私は最後尾にいた。あの地獄絵図は、今でもトラウマである。

他校と合同で実施する地区の競技会に向けて、朝練で走る練習をさせられた際には、みんなが先生に「速くなったね!」と声をかけられて達成感に満たされている場でただ一人、「君はもう練習しても速くなんないから」と我が耳を疑っても疑いきれない言葉をかけられた。その日帰宅後に泣きながら愛は勝つ(KAN)をピアノで弾きじゃくったことは、今でもトラウマである。

器械運動的なものも大の苦手で、小学校低学年向けの高さ60cmくらいの平均台をただ普通に歩いて渡ろうとしただけで落ちた。脇腹を強打して呼吸もままならない苦しみは、今でもトラウマである。

こんな感じで体育は常に私にジャネジーを蓄積していった。(ジャネジーについてはドキドキ!プリキュア参照)

唯一、私が身体を動かす喜びを感じられるのは、踊ることだけだった。

 

そんなんで世界の平和を守ろうとするなんて、馬鹿か、という話である。

運動に自信がないという六花ちゃん(青)だってキュアダイアモンドになれるんだから大丈夫、とかそういう問題じゃない、という話である。

実際キャラクターショーの稽古を見せてもらってそのことを痛感した。

ムリかも・・・という想いが私の心を支配した。無職時間で言うところの丸2日ほど費やして悩んだ。

ブログでワールドワイドに発信までした、プリキュアになりたいという想いはそんなもんだったのか、と私のスイートハートが疑問を投げかけてくる。

いや、違うだろ、と。誰だって最初は初心者だろ、と。何事も努力なくしては達成できないだろ、と。あなたに届け、マイ・スイートハート、と。

 

ということで3箇所みて、稽古が手厚めで、私の好きなダンス中心のレッスンも併せて行なっているところに登録させていただいた。

 

4月から稽古開始します。

ちなみに、体格的にはプリキュアにぴったりとのことなので、その事実を糧にがんばります。

 

プリキュアの放映が終わる前になんとかなるのか!?

 

 

つづく(かも)

 

 

 

プリキュアを目指してみる話

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!注意!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

本エントリは、幼児・児童の夢を壊す可能性を孕んでおります。お子様の目の届かないところで閲覧ください。

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

最近我が家では日曜の朝に放映しているプリキュアのアニメをよく見ている。無論、子供はいない。

変な趣味だ、と思う方もいるかもしれないが、このプリキュア、大人が見てもそこそこ楽しめるから甘く見てはいけない。創り手側も、子どもと一緒に親が見ることを少なからず意識して創っているのだろうと思う。

私など、前シリーズのスマイルプリキュア!のオープニングテーマ「♪スマイル スマイル スマイル スマイル スマ〜イル プリキュ〜ア♪」のくだりは「自身の現状を直視して気分が沈んだ時に元気づけてくれる唄No.1」として不動の地位を築いており、街中で口ずさんだこと数知れない。

2月から始まった新シリーズ、ドキドキ!プリキュアでは、4人目のプリキュアが初めて変身したシーンで、実際、涙した。

この髪が黄色い4人目のプリキュア(以下、"黄色")は、とてつもないお嬢様で、ヒーローキャラとしては珍しく金にものを言わせ、自営の商業施設の監視カメラ他諸々から得られるビッグデータの解析を高速で実現し、プリキュアの懲活(懲悪活動)に有用な情報提供に一役買っていた。ところが、フワッとした妖精的なアレから「きみもプリキュアになるでし〜」(語尾は正確ではありません。)と勧誘された際、黄色はなんと優雅に紅茶を注ぎながら「わたくしはプリキュアにはなりません。プリキュアをプロデュースする側にまわります。」と言い放つ。正義の味方にプロデュースとかあるんだ!と突っ込まずにはいられないと同時に、翌日から全国の幼児・児童が「さっちゃんお昼寝しなーい。お昼寝をプロデュースするからー。」などと言い出す育児ハックの到来を予感して身震いせずにはいられない。

そんな調子で色々と予想外の動きを見せてエンターテインしてくれる黄色だったが、カクカクシカジカの末、自身もプリキュアとして表に出ることを決意し、変身に至る。

ドキドキ!プリキュアの4人のプリキュアはトランプの4つのマークをモチーフにしているので、黄色は最後に残されたクローバー、つまり「キュアクローバー」になると誰もが信じたその時、彼女は言った。

「ひだまりポカポカ!キュアロゼッタ!」

・・・キュアロゼッタ!!!!思ってたんより、か、かっこいいいい!!!!

この瞬間、私の眼に正体不明の涙があふれた。我輩は涙である。名前はまだない。なにかしらの感動であることには違いないが、「自分の知っている形容詞では表しきれない感情」という台詞はこういう時に使うんだと、齢30にして初体験させてもらった。

 

というわけで、私は単純にプリキュアにそこそこハマっている。

エンディングテーマ曲でCGを駆使して表現される振付は、毎度踊りたくて仕方がない。だから動画サイトで振付説明の動画を漁ったりしてしまう。その過程で、子供向けイベントでプリキュアのキャラクター(気ぐるみ)たちが子供たちと共に踊っている映像を見つけた。

それを見て思った。あれ、もしかしたら私もプリキュアになれる可能性があるのでは?と。

そう思ったら一直線なのが私の長所であり短所。というかほぼ短所。

インターネットで検索し、キャラクターショーを制作する会社がキャラクタースタッフ(アルバイト)を募集しているのをすぐさま発見した。これらの仕事は基本土日、稽古は夜間ということで、平日別の仕事が入ったとしても両立できるかもしれない。

速攻問い合わせる。

「当方30歳なのですが、プリキュアになって踊りたいです。応募可能ですか?」

 

客観的に見直すと若干頭おかしい感じの問い合わせに見えるので、その名の通りドキドキ!しながら返信を待っていると

「年齢制限はありません。やる気と体力があれば50歳でも構いません。」

という力強い返答が。やはり夢を売る人々はハートの温度が違う。

 

なんでもっと若い時(学生時代)に、こういうアルバイト検討しなかったんだろうと思うと後悔の念が押し寄せてくる。まああの頃はまだプリキュアなかったもんな。

ひとまず、現場見学に参加させてもらおうと思う。

 

果たしは私はキュアロゼッタになれるのだろうか・・・!?

 

 

つづく(かも)

 

 

 

 

つれづれなるままに、再就職活動の話

再雇用後1週間で再失業者になった今、日本の完全失業率の低下に貢献すべく、というか、自分の強靭なぐうたら精神力に引きづられてコロコロと坂を転げ落ちていくことを阻止すべく、再求職活動をしている。

 

今日は派遣の仕事の面接があった。業務内容的に今後の糧になりそうな希望に合致した仕事である。

目が覚めてNHKの朝イチをがっつり視聴し、その後の国会中継で参院代表質問を見て校長先生のお話みたいだなーなどと思いを馳せていたところまではいつもと変わらぬ朝。

しかし今日はその後の行動がひと味違った。

新卒の就職活動時に着用していたリクルートスーツ(冬物スーツこれ一着しか持っていない)を戦闘服とばかりの意気込みで身にまとい、念入りに化粧をする。

さらに、「今日は勝負だから」と、父から土産でもらった有名海外ブランドの香水を開封した。冷静に振り返ると、多少「勝負」の意味合いを取り違った感はある。

その土産物は5種類ほどの香水のお試しセットみたいな形になっていたのだが、説明書は外国語(おそらくフランス語)で読む気はせず、Don't think. Feel ! とブルース・リーも言っていたわけなので、何も考えずに端っこのやつを手にとって少量手首に塗った。

するとどうだろう。街で見かけるシャレオツなメンズが漂わせている類の香りが自分から漂い始めた。これ、もしかして男性用か、という疑念が一瞬頭をよぎる。

さらに何かの成分が肌に合わなかったのか手首がヒリヒリし始めた。腫れたらどうしよう、という不安が一瞬頭をかすめる。

すぐさま深く考えることはやめて、いざゆかんとばかりに立ち上がった。

 

場所が銀座で面接時間は夕方だったので、早めに行って少しゆっくりしようと思って現地に向かった。

銀座に到着すると、自分が履いている靴の先端の飾り部分が左足だけぶっ壊れていることに気づく。"鼻緒が切れた"みたいで、非常に幸先が悪い。

普段の私ならそのまま一日押し通すところなのだが、今日は勝負の日だし、足元がきちんとしていない女性はだらしない印象を与えるという話も聞いたことがあるし、こりゃまずいと思ってデパートでセール品の靴を購入。その場で履き替えた。

元々履いていた靴は捨てちゃって、と店員に頼む自分がセレブっぽいと一瞬錯覚したが、紛れもない無職者であるという現実に返り、余計な出費が嵩んでしまったことを悔やむ。

 

それでもまだ時間があったので、スターバックスに入った。

するとどうだろう。そこには"本物の"就活生が複数人おり、懐かしのSPIの勉強などしていた。リクルートスーツだけはお揃いだが、私一人、明らかに年齢・鮮度面で偽物感を醸し出していて肩身が狭い。

さらに隣に座っていた20代半ばくらいの女子二人の会話が驚くほどスリルに満ちていてハラハラ感が止まらない。

その二人のうち一人は結婚式を間近に控えている様子だったのだが、

友人女子「ドレスは結局何色にしたの?」

結婚前女子「赤にしたー。写真あるから見て見てー。コレ!」

友人女子「なんか、寸胴に見えるね。胸元のレースの形のせいだと思うけど、私、あまり好きじゃない。こっちの紅(べに)色のドレスの方が好きだな。」

結婚前女子「そっちのドレスは高いんだよー。。。あ、グローブは白か黒か迷ってるんだけどさ。どっちがいいと思う?」

友人女子「うーーん。長いグローブにしたほうがいいんじゃない?」

結婚前女子「長いのは有料なんだよ。」

友人女子「ちょwwwもうちょっと(金銭面で)がんばりなよwww」

結婚前女子「結婚式挙げるだけで結構がんばってるんだよ。」

友人女子「いくらくらいかかるの?」

結婚前女子「○○万円くらい」

友人女子「○○万円だと、きっとお料理はたいしたことないね。」

結婚前女子「あ、でもレストランがメインの会場だからお料理はそこそこだと思う。でさ、私がさ、[友人女子]ちゃんにメイクを頼むとするとさ・・・」

友人女子「ちょwww私、行かなくちゃいけないの?」

 

ダイ・ハード並にスリルが畳み掛けてくる。赤の他人の会話にここまで変な汗をかいたのは初めてだ。女子特有の過剰なまでのお世辞がなくて気持ち良い・素直に話ができている分仲が良い、と捉えられないこともないが、もう少し祝福の色が滲み出てもバチは当たらない。結婚前女子の心の強さに全米が泣くレベルだ。

このままだと面接前に憔悴しきってしまうかもしれないという危機感を覚え、スターバックスを出て派遣会社の方との待ち合わせ場所に向かう。

約束の時間より早く着いてしまったのでしばらくぼーっと立って待っていると、最近よくウワサを耳にする「ロボットレストラン」なるお店の広告車両が目の前を通過していった。女体ロボット2体を引き連れた大々的な広告が、妙なテーマソングと共にゆっくり通り過ぎていくその様は銀座という街にはひどく不釣り合いな感じで、異次元に迷い込んだようだった。

(ロボットレストラン http://www.shinjuku-robot.com/pc/top/

 

その後派遣会社の方と合流して、やっと派遣先企業との面接にたどり着いた。

緊張症な私は一生懸命しゃべると鼻の頭に大量の汗をかく。犬は鼻が濡れていないのが病気の証拠、と言うが、私は鼻が濡れているのが一生懸命の証拠だ。そんなパーソナリティを事前に先方に伝える術があれば、私の面接ライフはもう少し華やかなものになるのかもしれない。しかしそんなことを履歴書その他の書類に書く勇気は毛頭ない。

話の所々でうまくごまかしながら鼻の頭の汗を拭いつつ、会話事態はそこそこ問題なく進んでいた。

しかし、途中で1つ、全く予期せぬ質問が飛んできた。

「□□が優れていると思う企業はありますか?それはどこですか?」

すぐに答えが思い浮かばず、瞬間的に頭が真っ白になった。しかしその時、奇跡のように私の耳に聞こえてきたのだ。

ロボットレストランのテーマソングが。

このタイミングで、あの広告車両が、ちょうど面接会場の社屋の前を通った。

真っ白な頭に突如飛び込んできたテーマソングにより、私の頭の中はロボットレストラン一色に染まってしまった。

でもここで間違って「ロボットレストラン」という言葉を一言でも口にしようものなら、今日という日が水の泡となって消え去っていく。そう判断できる冷静さが残っていたのが幸いだった。

広告車両が通り過ぎるのをじっと待ってから、ゆっくりと考えてそこそこ無難な回答をした。

質問から回答まで相当間が空いてしまったが、ここは最悪の事態を免れた自分を褒めてあげたい。

 

面接が終わり、後は結果を待つのみである。

特に致命的な失敗があったとは思わないのだが、面接の後はいつも、なぜか凹みまくる。たぶんダメだろうという思いに支配される。

これはおそらくこれまでの人生で身についた条件反射のようなものなのだろう。

パブロフの犬、ならぬバーグの面接。両者とも鼻が濡れている点からも相同性が高い。

 

ひとまずしばらくはムリポジで、果報が飛び込んでくるのを(口を開けて)寝て待とうと思う。

 ※ムリポジ=ムリにポジティブに考えること。

 

 

 

 

 

非美人のメリット

私は、顔の造形や表情にちょっとした癖・特徴があるらしく、あらゆる人生のステージで「いつもぼーっとしている」「いつも眠そう」「ほっぺがヤバい」「口が開いている」「口が"オ"の形になってる」などのコメントを頂戴してきた。

これらのコメントはもはや自分史ではおなじみの"常連さん"である。

 

その他、顔関連で印象に残っているエピソードを挙げると以下の通りだ。

 

幼稚園のとき、100%健康体の日に登園したところ「おたふく風邪じゃない!?」と不本意ながら周囲に心配をかけた。 

高校時代、期末試験が終わって最高にテンションが上がっている時、友人に「どうしたの!今日、目が開いてるよ!?」と驚かれて、こっちが驚きおののいた。

自分が得意技としていたリスの顔芸を披露した際には、その顔芸を真似しようとした友人が「あれ、で、できない・・・どうやってほっぺた膨らましてるの!?」と不思議がったが、こっちも彼女の悩みを理解できなかった。私のリスの顔芸は、口を小さく尖らしているだけで、頬を膨らます工夫は何ひとつない。

 

私の顎は、一般的な成人に比べて重力に逆らう力が弱いようで、特に睡眠下の無意識状態ではもはや重力のなすがままである。

それゆえ、公共交通機関などで座った状態で眠りに入った際にはピッコロ大魔王の出産さながらの大口を空いてしまうらしく、ふと目が覚めた時に向かいの席に座っていた少年たちが私の口になにか投げ入れるような動作で遊んでいるのを目撃し、気まずい空気が流れたことがある。

実家でピアノのある部屋に寝ていたときは、目覚めた瞬間に傍らのピアノに映る自分の寝顔に驚愕して、この寝顔で人生の様々なチャンスを棒に振るのではないかと本気で悩んだこともある。顎が単独で旅に出ようとしてるんじゃないかってくらいに、口が開いていた。横になっていてもそうなるのは、おそらく月の引力の影響だろう。

 

さらに、私は何かに一生懸命になると鼻の下が伸びる、口が曲がる、などのおかしな表情をする癖があるらしく、習い事でやっているダンスでは常に先生から「変な顔しない!鼻の下伸ばさない!」と注意され、前職における自分の成果物のレビュー会では「ねえ、そのへんな口、やめてくれない?」と上司から懇願され、オポチュニティ氏※にさえ真面目に考え事をしていた私の表情に対して「変な顔するな。仲間がいなくなるぞ。」と助言されるに至った。

 

※オポチュニティ氏:私が1週間で辞めた職場の上司。以下参考。

 オポチュニティ氏の名言 http://t01545mh.hatenablog.com/entry/2013/02/12/214819

 

まあそんな経緯もあって、妬み嫉み僻み以外の何者でもない『名前を言ってはいけないあの感情』によって、美人絶滅しろ、と思わないこともない。

しかし、この顔が私の生活に大きなメリットをもたらしていることも、紛れもない事実なのである。

 

まず、初対面で「ぼーっとしている」「眠そう」な印象を与えると、相手は私に対して大きな期待を抱かない。つまり、周囲からの期待値のハードルが下がる。この状態でちょっと難しいことをこなしたりすると、通常よりも高く評価される。

実際に私は、進学塾の先生にも前職の部長にも「あなたは一見ぼーっとしているように見えて、実はデキるねー!」と声をかけられた。

いわば私の顔は、オートマチック"爪隠す"仕様である。能がそこまでなくても、爪を隠せばあるように見えてしまうからお得感が大きい。

 

また、頬が膨れていることで顔芸の幅が広がっている。前述のリス顔芸も、友人の指摘なしには気付かなかったが、頬が膨れているからこそ実現可能な顔芸であった。

そのほか、「腹話術の人形」など、頬のアドバンテージを利用して編み出された顔芸は数知れず(2つくらい)、なんらかの場を盛り上げるのに一役買っている。

 

さらに、煮詰まった局面で表情がおかしくなる癖が、場の空気を和ませる。決してふざけて変な顔をしているわけではなく真剣ゆえの変顔だから、怒りは買わない。

前述した前職での成果物レビュー会では、かなり厳しい指摘を受けておりピリピリした空気が流れていた。しかし真剣に悩んでいる私の顔を見た瞬間、厳しい指摘をしていた上司本人が笑ってしまった。変顔イリュージョンである。これにより場の空気は一気に緩和され、議論も前に進み、めでたしめでたしということになった。

この時のことを振り返ってみると生産性の面でも貢献度は高く、「会議に一人、変顔社員キャンペーン」が東証一部上場企業で繰り広げられる時代もそう遠くはないかもしれない。

 

油断するといつも口が開いている点については、突発的な鼻使用禁止状態に即座に対応できる。また、ガムテープなどで口を塞がれる状況下に陥ったとして、相手が塞ぎにくい。

というか正直、この点についてのメリットは見い出せないのだが、口を開いて寝ていたことで九死に一生を得るような出来事に遭遇しないとも言い切れない。

 

そんなわけで、私は親からもらったこの顔に感謝し、活用しながら、これからも生きていこうと思う。 

 

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