思い出話

彼を初めて“見かけた”ときの光景は、今でも鮮明に覚えている。 大学の教室だった。 同じゼミに所属していた彼は、けれども一時的に違うキャンパスにいて、ゼミに所属して半年経ったそのときまで会ったことがなかった。 彼にとってはひさしぶりに戻ってきたキ…

もし童話の主人公が夫だったら

〜金の斧、銀の斧編〜 ある時、夫は森で木を切っていた。 しかし数時間後、疲れてきた夫は手を滑らせて斧を泉に落としてしまった。 「あっ」 夫は泉を見つめ、しばし考えた。 「人間が作業をしている以上、斧を落とすリスクへの対応策が勘案されていて当然だ…

TED風プレゼンをやってみた話

ちょうど1年くらい前、友人たちとのお気楽な集まりでお気楽なプレゼンテーションをする機会があった。 その時私は、憧れていたTED風プレゼンテーションにチャレンジした。 大きなスクリーンの前にスピーカーが立ち、身振り手振りを交えながら聴衆、じゃなく…

天才の条件

明確な根拠はないのだが、超絶優秀な人って、幼いころは周囲と異なる特徴的な子供だった傾向がある気がしている。 子供のころ学校の勉強についていけなかったトーマス・エジソンや、そこそこ大きくなってもおねしょをしていた坂本龍馬の逸話は有名だが、つい…

ハローワークにもワーク風がある

企業にはそれぞれ社風というものがある。 同様に、ハローワークにも“ワーク風”があるということを実感したことがある方はそう多くはないだろう。 私はこれまでのとっちらかった人生の中で、2つの自治体のハローワークに通ったことがある。 初めて行ったとき…

くしゃみが父親に似ている

遺伝とは時に、親子の間に思いも寄らぬ類似点をもたらす。 私の場合、くしゃみがその一例だ。父親に激似である。 外でくしゃみをするときは、肉眼では捉えられない程度に私の中に存在している希少なぶりっこ力を総動員して、「っくしゅん」といった感じにか…

もし昔話のおじいさんおばあさんが私たち夫婦だったら2

〜鶴の恩返し編〜 ある冬の夜、突然我が家のインターフォンが鳴った。インターフォンの受話器を取ると、映し出された画面の向こう側には若い女の子が立っていた。 パーマのかかったふんわりセミロングに、大きな瞳、そして特徴的な泣きぼくろ。それはまるで…

みにくいあひるはラッキーです

(昨日も書いたが)大学時代の友人たちと同窓会的な1泊旅行に行ってきた。 毎年恒例となったこの会、1年に一度ここでしか会わない友人などもおり、近況報告的なことや会わない間に発生したネタを一部希望者がプレゼン形式で話して、あーだこーだ話題のタネに…

草津旅行中に気づいたこと

学生時代の友人たちと草津に来ている。 温泉に入り、美味しい料理を食べて酒を飲み、友人たちとの談笑する、そんな幸せなひとときの中で、ふと、ごくごくどうでもいい新発見をしてしまった。 顎というのは人間が起きている間はほぼずっと重力に逆らっている…

人は、週休三日により幸せになれる

神は、暇をもてあました遊びにより偶然天地を創造したもうた。 神は7日で、天地創造の事実を公表したもうた。 1日目、鋭気を養うため神は休息をとった。 2日目、神はまず概要を説明し、天地創造を成し得た背景を語った。 3日目、神は創造の手法と、その結果…

体調が不良になった

私 「体調!あなたどこ行くの!?こんな正月休み明けに!」 体調「うっせぇババァにはカンケーねー」 私 「あなた最近、ウィルスと付き合ってるんじゃないの?」 体調「オレが誰とつるもうがオレの勝手だろ!うぜぇんだよ」 私 「ちょっと、あなた、リンパに…

由紀さおり&安田祥子が好きだ

由紀さおり&安田祥子の歌が好きだ。 年末からずっとGoogle play musicでエンドレスリピートしている。 ガラスのメンタルを癒す力が、マジ、パないのだ。真綿であり羽毛であり上質なシルクでありキズパワーパッドなのだ。 しかし近年、この歌声に触れること…

スタバは油断するとやられるので気をつけた方がいい

新しい年も3日ほど過ぎ、明日から仕事始めという方も多いだろう。私もそうだ。 このタイミングで唐突に昨年を振り返ると、私は昨年、結構スターバックスに行った。知人にスタバカードをいただいたことなどもあり、スタバに通う頻度が例年の平均を大幅に上回…

もし昔話のおじいさんおばあさんが私たち夫婦だったら

〜桃太郎編〜 夫が家でデレステに夢中になっているころ、私は洗濯機で洗濯&乾燥をスタートさせると、痩せるためにちょっと運動してくると言って家を出た。 しかし家を出て数分後、早くも諸々が億劫になった私は、橋の上から川をボーッと眺めて時間をつぶし…

私が神になる瞬間

皆さんは大腸菌のコロニーをピックしたことがあるだろうか。 私は縁あって、去年の後半ころから、仕事でちょいちょいピックするようになった。 とにかく雑に説明すると、↓の絵の、たくさんの点々の中から任意でいくつかの点を選び、爪楊枝でつつくのだ。 (…

大きな晦日の大掃除(平井堅ver.)

大きな晦日のフルそうじ ギリギリの大そうじ 1年いつも怠けていた ツケ返すそうじさ 年末休暇はじまった日に やっちゃうはずだったのさ 今はもう 大晦日 そのそうじ 1日休まずに クイックル クイックル キッチンもトイレも クイックル クイックル 意外なとこ…

分子生物学用語だらけの桃太郎

昔々あるところで、おじいさんとおばあさんがクローニングしていました。 おじいさんが山にライゲーションに、おばあさんが川にPCRに行くと、川上から「アンプリファ〜イ アンプリファ〜イ」と大きな桃が流れてきました。 「こんな突然変異の桃は見たことが…

お祈りメールへの返信定型文

コレクターというのは通常、自分の愛するものを収集し、愛でるものだと思う。 しかし世の中には、意に反して自分の忌み嫌うものが自分のもとに集まってきてしまう場合がある。それが「不採用通知」だ。 いわゆる「お祈りメール」と呼ばれるそれを、私はこれ…

アイドルグループ解散の後日談

とある5人のアイドルグループが解散したX年後の話を、某アイドルアニメ風に妄想してみた。 ----------- ◯某テレビ局・凛の楽屋 木村凛が鏡に向かって座り、歌番組への出演スタンバイをしている。その横には別番組の衣装を来た中居卯月が立っている。 凛「卯…

特技は寝ることです。

「特技は寝ることです」 と言われたら、多くの人はただ、ふーん。と反応するだろう。 この話をそれ以上掘り下げる気にもならないし、おどろきも面白さも別段ない。受け手にとって興味を引く要素のない発言だからだ。 おそらく「特技は寝ることです」と発言す…

『さるかに合戦』さるへの独占インタビュー

(“習慣づけ”が苦手な自分への課題として、今日から最低1ヶ月、毎日何かしら日記のようなものを書くことにした) 今日は「さるかに合戦」について考えた。 以下、さるかに合戦のさるの言い分を聞いてみたらどうなるだろうという妄想である。 ーー例の合戦当…

“やるべきこと”はやりたくない話

皆さんは、「仕事観」というものをお持ちだろうか。 私には、簡潔にして明快な、かつ他者に言うまでもないくだらない仕事観がある。 それは『できればやりたくない』というもの。 私はつい最近、自分の心理パターンには、とある“ルール”が割りと厳密に適用さ…

芝居に出ることになった話

突然だが、この度、知人の劇団の芝居に出演することになった。 なんでそんなことになったかというと、 オポチュニティオポチュニティしたからである!(ドヤッ) (“オポチュニティオポチュニティする” とは一種の流行語である⇒ 流行語大賞を狙って2年が経っ…

その時、歴史が動いた話

高校のときの話である。 私は花形だった吹奏楽部に入った。 オーディションなどの過程を経て、パートは"オーボエ"という楽器に決まった。 オーボエは各学年に1人ずつしかいないパート。 なんの偶然か、先輩たちは皆美しく「オーボエパートは歴代美人が担当…

作文の書き方の話

こんなこと私が今更エラそうにツラツラと書き連ねることじゃないだろうけど、今日唐突にふと思い出したエピソードがあったので小中学生のときに悩みがちな「作文の書き方」について書いてみたいと思う。 「作文」の宿題に悩まされている小中学生のみなさん …

大御所にA0パネルを持って特攻してみた話②

これは、とある業界の大御所(先生)にA0パネルを持ってアピールしてみたという話の後編である。 (前編はこちら⇒ 大御所にA0パネルを持って特攻してみた話① - ニートザッカーバーグのよくすべる話) 作成したA0パネルを背負った私は、先生が講師を務める学…

大御所にA0パネルを持って特攻してみた話①

若くして異例の登用で成功を収めたという人にそのきっかけを聞くと、「いきなり業界のトップのところに直接出向いてアピールしてやったんですよ。そしたら気に入られちゃって。ハハハ」という話をたまに聞く。 もしかしたら自分が記憶しているそういう話の半…

スライドと会話するプレゼンメソッドを提唱した話

私は、以前勤めていた職場で、 「"スライドと会話する"という新しいプレゼンメソッドを提唱した」 ことがある。 そのきっかけは、職場のおじさんたちのプレゼンテーションが得てして聴衆を惹きつけない、という問題意識からだった。もちろん私自身も決してプ…

退職エントリー

IT業界特有のことなのかよくわからないが、世の中には結構「○○を退職しました」というブログを書く人がいるということなので、私も流れに乗って退職エントリーというやつを書いてみたいと思う。 とはいえ、この「退職」は1年以上前の話である。 このブログの…

流行語大賞を狙って2年が経った

私は、2012年ころからひそかに流行語大賞を狙っている。 なぜ流行語大賞を狙うかと言うと、一発当てたった感を味わいたいからである。 要するに、自分の平凡な人生に華を添えたいのだ。 そんなのただの一発屋で終わるだけじゃないか、とおっしゃる意識の高い…