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大御所にA0パネルを持って特攻してみた話②

これは、とある業界の大御所(先生)にA0パネルを持ってアピールしてみたという話の後編である。

(前編はこちら⇒ 大御所にA0パネルを持って特攻してみた話① - ニートザッカーバーグのよくすべる話

 

作成したA0パネルを背負った私は、先生が講師を務める学校の授業へと向かった。

(学校に辿り着くまで完全に一人で行動しているので、運搬の様子を客観的に写真に撮ることは叶わなかった)

 

改めてパネルを背負ってみると軽くて負担はないし、両手は空くし、背負紐を取り付けた自分天才か、と思ったけど、歩きはじめると後ろに蹴りあげる脚がいちいち背中のパネルに当って歩きづらいことこの上ない。人間工学的な考慮・配慮が大幅に抜け落ちた設計であったことにやっと気づく。

仕方なく、腰を折り曲げて、赤子を背負い紐なしで背負う時のように、後ろ手でパネルを少し持ち上げながら歩くことになった。これなら背負わず普通に前に持った方が楽かも、と感じなくもなかった。

 

人混みではパネルを背中からおろし、なるべく小さくなりながら一生分の横歩きを駆使して歩を進めた。パネルも心も何度も折れそうになったが、なんとか目的地についた。通行中ご迷惑をおかけした皆さん、誠に申し訳ありませんでした。

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(駅は思った以上に人が多くていろいろ折れそうだった。皆さん本当にごめんなさいでした。)

 

出発前は、これから実行する計画のことを考えては心臓が口から飛び出しそうになっていたが、道中はとにかく安全に運搬することに必死で緊張感が薄らいでいた。学校についてからは、運びきったことに一安心したのか、授業に集中することもできた。

 

しかし授業が終わった瞬間、私の身体の中で「総員、配置に付け!」という命令が響き渡り、大騒動がはじまった。

もう心のバイブレーションが止まらない。というか心のみならず、完全に身体がバイブレーションしている。早めに出口に向かい、先生を待ち構える準備をしようとするのだが、もう焦ってるし緊張しているし手は震えてるし、パネルの梱包を解くことさえままならない。他の生徒さん数名が何がなんだかわからないままに手伝ってくれる。優しい。ありがたい。だがそれでも私の気持ちは、北島三郎かというくらい祭りだ祭りだと落ち着かない。丁寧にパネルを出している余裕はなく、盛りのついた獣のようにビニールを破りさり、とにかくギリギリの状態で裸に剥ききることに成功した。

 

教授の推薦状も手元に準備して、ビルのエレベーター前で先生が降りてくるのを待つ。もう完全に頭は真っ白である。

 

エレベーターが1階に到着し、先生が降りてくる気配がした。先生じゃないといいな、と心のどこかで願ったが、先生だった。

私は、パネルを掲げて先生の前に立った。

「・・・・え?何やってんの?」

と驚きつつも冷静な口調で先生は言った。

「あの、私を雇って下さい」

と私は言っただろうか。なんかもはやよく覚えていない。

 

「それ持って来たの?すごいね・・・」

というようなことを先生は言っていたような気がする。

全般的に、面白がっているというより、困った様子だった気もしないでもない。

 

そんな先生のリアクションも相まって、A0パネルの大きさとは裏腹に、私の心は完全に萎縮していた。

「これ、自分の学生時代の恩師からの推薦状です」

と言って推薦状を渡し、ぜひ、ご検討ください、というようなことをハニカミながら伝えた。

気が動転しすぎて「コレ、背負えるんです」とかパネルの構造を説明していた気がする。そうじゃない。伝えるべきことはそうじゃないだろ、私よ。

先生はその場で推薦状を読んで下さり「へーすごいね」と言いつつも、最終的には

「わかりました。受け取っておきます」

と言って、去っていった。

 

そう、去っていった。

 

 

終わったのである。私のアピールタイムは、終わったのである。

 

「キミは面白いなー!よしっ、俺のところで修行してみるか!」

ってなことをその場で言ってもらえることが成功だったとすれば、まあ一言で言って、失敗、だったのかもしれない。(「かもしれない」というのはちょっとした強がりである。)

 

完全に、私のアピール力不足。作戦不足。決定力不足。

口で何を伝えるかが大事だったのに、脳内シミュレーションではちょっとした冗談を言って笑ってもらうところまで妄想していたのに、やっぱり緊張しすぎて上手く想いを伝えられなかった。

やってることは大胆な割にハニカンでる私、ギャップ萌え。とか言ってる場合ではない。終ったという安堵感と同時に、反省の念がドッと押し寄せてきた。

 

私は結局今回、冒頭で語った「特攻に向いてない」という自分の性格の壁を打ち破ることができなかった。アピール下手な自分の性格を分かっていたのだから、一言一句準備して練習するべきだった。

 

結論として、特攻系アピールは誰がやってもすぐ上手くいくわけではない、という当初の自分の考えはある意味で正しかったかもしれない。でも、やって損するものではないというのもまた正であった。以下のとおり、むしろプラスしかない。

・自分の存在を、先生を始めとする学校のみんなに印象づけることができた

・自身の行動力を高めることができた

・もやい結びを覚えた(背負紐と取り付ける際に使った)

とにかく、今回の「詰めの甘さ」への反省を活かし、これを第1段階として、今後引き続きやりたいことに向かってがんばればよいのだ。この経験はそんな前向きな原動力になった。

 

 

余談だが、

アピールタイムが終わった後、ふと気づけばパネルを梱包していたビニールは、私の気持ち同様ビリビリに敗れており、浅はかな私は復旧のためのガムテープ等も持ってきていない。大きな緊張感から開放された脳みそはそれ以上考える事を放棄し、帰りは生でパネルを持って帰った。

 

背負うと歩きにくいので、紐を左肩にかけて、ちょっとした盾のようにしながら帰った。左側からいかなる攻撃を受けても殺られる気がしない。

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(帰りは駅まで一緒だった他の生徒さんに写真を撮ってもらうことに成功)

 

ホームからはまた一人。なんだか記念撮影をしたくて撮ってみた。

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ちなみにこの写真を撮っているとき、中年男性に「お仕事探してらっしゃるんですか?」と声をかけられた。曰く、経営コンサルをやっていて事務職を探しているということだったが、事情を説明して丁重にお断りさせていただいた。

彼の言っていることが本当だったかどうか確かめようがないが、まさかこの短時間に本当にそんな風に声をかけてくれる人が現れると思わなかったので驚いた。

この求職パネル、意外とオポチュニティを引き寄せる効果があるかもしれない。いざというときはこのオポチュニティパネルを持ち歩けば良い、という秘策を得たことも、今回の収穫のひとつだ。

 

今、我が家の玄関をくぐるとこのような光景が広がる。

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面白系のお仕事があったらお声がけください。カッコワライ