ハローワークにもワーク風がある
企業にはそれぞれ社風というものがある。
同様に、ハローワークにも“ワーク風”があるということを実感したことがある方はそう多くはないだろう。
私はこれまでのとっちらかった人生の中で、2つの自治体のハローワークに通ったことがある。
初めて行ったときのことは、このブログの最初のエントリーにも書いた通りである。この時のハローワークを仮にハローワークAとしよう。
その数年後私は、異なる自治体のハローワークBに行くことになるのだが、その時にはハローワークAの経験があったので多少憂鬱さを感じていた。職員さんに自分のとっちらかった人生を説明しなければならず、その結果「変な人だ」という視線を受けることを覚悟をする必要があった。
ところがどっこい、行ってみてびっくり、それは杞憂に終わった。
ハローワークBでは、必要書類を提出して、不備がなければ、最低限必要な手続きはおしまい。
ハローワークAで必須だった就職相談が、ハローワークBでは手続きの必要条件になっていなかったのだ。(もちろん、希望者は相談窓口に行けば相談できる)
こういった公的機関には標準化された対応手順があり、みな丸っきり同じようにそれに従っているものだと思い込んでいたので驚いた。それぞれがそれぞれなりに、再雇用の手助けの仕方を工夫しているのだ。(と思われる)
ハローワークBでは、雇用保険の講習が印象的だった。この講習も、もちろん大まかな内容の規定はあるのだろうが、後半はハローワークBで独自に作ったスライドでプレゼンしているように見えた。
心に残ったのは早期再就職のメリットを3つ挙げていたところで、1点目は経済面、2点目はブランクが空けば空くほど再就職しにくくなるという点、そして3点目は生活のリズムが崩れませんよ、ということだった。
この3点目に愛を感じずにはいられない。生活のリズムのことまで心配してくれるなんて。家族なのですか。
さらに目についたのは、申請書類の“記入例”だ。通常“記入例”の氏名欄には「山田太郎」的な名前が書かれることが多いが、ハローワークBで書かれていた名前は、『明日勇気(あした ゆうき)』。
なんてこった。明日勇気さんとの数年越しの思わぬ再会である。
逆にココは、自治体跨いで共通なのか。
でもやっぱり、記入例さえもがこちらを必死で元気づけようとしているこの感じは、軽い絶望を生むなと思いました。
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ハローワーク非公認ゆるキャラ、ハローワークくんもよろしくお願いします。