これまでの職の話をしよう season3 ーテーマパークのアルバイトー

私のここ最近の日常で特筆すべきことと言えば、ワロハ(ワイハっぽく)で職サーフィンした帰りにワロハ前で待ち構えている紫の髪のおばちゃんに仕事の勧誘されたことくらいで※、いよいよネタ尽き感を隠せなくなってきたので、ここで一気に時系列を遡り、再度アルバイトの話を書かせてもらおうと思う。苦し紛れである。

(※後に調べたところ、よくある事象らしい。

http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2011/0829/438936.htm?o=0 )

 

私はワニワニパニックの実況で給料をもらっていたことがある。比喩ではない。

お台場の某テーマパークでのアルバイトだった。

厳密にはコインで遊ぶゲームコーナーの担当で、ワニワニパニックだけではなく数種類のゲームについて、集客・ゲーム運営・盛り上げ(実況)の役割を持ち回りで担当していたが、個人的に最も花形だったのがワニワニパニックだった。

ワニワニパニックをご存知ない方は、以下を参考にしていただければと思う。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%83%8B%E3%83%AF%E3%83%8B%E3%83%91%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF

 

さて、ワニワニパニックの実況とはいかなるものかと言えば、お客さんが普通にワニワニパニックをしている様子をマイクを通して実況中継して盛り上げる仕事である。そのままだが。

 

「さぁ〜始まりました、ワニワニパニック!チャレンジャーのお兄さん、無事にワニを倒せるのか〜?」

「まずはゆっくりと、ワニが出て参りました。お兄さん、冷静にワニを叩いております。いいですね〜。さあまだ出てくるぞ。一匹、二匹と確実に逃すことなく叩いていく!これにはさすがのワニも参ったか〜〜!?」

(ワニたちの声:"もぉ〜おこったぞぉ〜〜")

「お〜っと、ワニが怒ったぞーー!さぁ〜ここからが大変だ!ワニが出てくる出てくる、すごいスピードで出てくる。さっきまでとは別人のような速さだ。お兄さん、苦しいか!?もっと速く叩かないと逃してしまうぞ!彼女が隣で見てるぞ!さあ〜がんばれ、がんばれ!」

 

よくよく考えると非常にレアな業務内容である。

 

ワニワニパニックをお客様にお勧めするスタッフとしては、まず自身がワニワニパニックを熟知せねば、ということで、ワニワニパニックをめっちゃ練習した。

というか、お客さんが来ないときに客寄せの名目で「さ〜今からデモやりますよ〜。よってらっしゃいみてらっしゃい。」とか取ってつけたような台詞を放っては、「おーっと!ワニが出てきた〜〜〜!!!」などと自分で自分を実況しながらずっと遊んでいた。

その甲斐あって、メキメキ強くなった。

そのテーマパークにはワニワニパニックの筐体が4台あったのだが、それぞれワニが出てくるパターンが異なる。自分が得意な台はこれ、というのができた。

パチプロならぬワニプロとかいうジャンルがあれば、目指していたかもしれない。なくてよかった。

 

そのコインゲームコーナーでは、男性だったら○○点、女性だったら○○点以上で景品プレゼント、みたいな形式でやっていたのだが、お客さんに喜んでもらうために少々のおまけをするくらいの裁量はあった。

なので、カップルの女性に「特別に、私に勝ったら景品あげちゃいます。エへ☆」と言って勝負を挑み、自分が勝って満足するなどのクズ行為に及んだりしていた。

 

クリスマスの日もバイトに入った。

そのテーマパークは、クリスマスイブ〜クリスマスにかけてのみ24時間営業するという、ニーズがあるのかないのかわからない意味不明な気の利かせ方をしており、クリスマスイブのシフトは激烈長かった。自分は25:00とかまで働いた記憶がある。サンタも去っちまうっつうの。

言うまでもないがクリスマスのお台場はもはやカップル洗い状態で、バイトに向かうゆりかもめの時点で、働く気概を持って一人で乗っている私が浮いていた。

もちろん自分には彼氏などいなかったので金稼ぎに走ったわけだが、その時私は原因不明の仏心に取り憑かれており、「世の中にこんなに幸せな人がいるなんて、素晴らしい!私は幸せだ!」などと知人に漏らしたことを今でもはっきり覚えている。

多少、気が狂っていたと思う。

 

ずーーっと声を張り上げていなければならないのは疲れたが、けっこう楽しいアルバイトだったような気がする。

通常は初対面の人間と話すのが苦手な私だが、テーマパークという空間は私にとって、ある意味別人格を演じる舞台だったのだと思う。

人を直接的に楽しませることが、自分の直接的な喜びに繋がっていたのだと思う。

 

というわけで、ワニワニパニック案件があったら、ぜひお声がけいただきたい。